悉皆屋はきものライフの応援団

悉皆屋さんで呉服店にお邪魔します
橘屋は、呉服店さんなどで実施される「おきもの相談会」「おきものクリニック」という催事に悉皆(しっかい)でお邪魔させていただいております。
ところで、悉皆(しっかい)ということばは、ご存知ですか?
呉服業界で使われているのですが、その他では耳にすることが少ないので馴染みがない方もいらっしゃると思います。
辞書によると、
1.「一つ残らず全部。ことごとく」
2.「まるで、全く」
というような副詞的な意味があります。2.「まるで、全く」の意味では狂言のセリフで「その恨めしそうな顔は悉皆幽霊ぢや」「悉皆濡れ鼠じゃ」というように使われるそうです。
悉皆のルーツは江戸時代まで遡ります。
江戸時代、染め物や洗い張りをする職人さんのことを『悉皆屋』と呼んでいたそうです。どうやら大阪が発祥の地だったようですね。大阪の商人が、大阪で取った注文品を京都に送って、衣服の染めや染め返しをさせていたことがはじまり。きもの加工と染め物に関するすべてのことはもちろん、お金のこと、家族のこと、恋のこと、人生のことなどなど、いろんな相談事を一つ残らず、ことごとく請け負ったということで、ことごとく(悉皆)屋さん→悉皆屋と呼ばれるようになったとのことです。
江戸時代の悉皆屋さんってどんな感じだったのでしょう。どんな人が営んでいたのでしょう。どんな雰囲気だったのでしょう。
そんなことを思いを巡らせていたところ、素敵な本を見つけました!
江戸時代の悉皆屋さんのことを描いた小説『着物始末暦』(著 中島要 ハルキ文庫)。全十巻のシリーズで、江戸時代の悉皆屋さんの様子がイキイキと描かれています。江戸時代の悉皆屋さんって、こんな感じだったんだなあと想像できる楽しいお話です。スルッと読めますよ。この主人公が、ちょっと無愛想なんですが、真っ直ぐな男でいい男なんですよ。いや〜、映画化されるとしたら誰が良いかしら……なんて想像しながらウキウキしてしまいました。手先は器用なのに恋は不器用で、じれったいところがたまりません。
時代は変わっても、きものへの想いは変わらないことを、この小説を通して改めて感じました。
どうぞお気軽に相談してください
現代では洋服が主流になったことで、きものについて相談できる人が少なくなったように感じます。
「きものってお金がかかりそう」「ちょっと相談してみたいけど、いくらかかるかわからない……」というような不安がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
例えば、
・長い間タンスにしまっていたきものにシミができてしまった。
・若い頃に着ていたきものをサイズを直して娘に譲りたい。
・母から譲り受けたきものを羽織に仕立て直したい。
・着る機会がなくなったきものを、洋服(ベストやドレスなど)にリフォームしたい。
お客様の想いは十人十色ですよね。ついつい涙ポロリのエピソードもあったりするんですよ。
相談できないと不安は募るばかり。
橘屋では、できる限りお客様のご要望にお応えし、少しでも悩みを解決するお手伝いをしたいと考えています。お客様に寄り添うカウンセリングを心がけていますので、どんな小さなことでもご相談ください。
こんなこと聞いたら恥ずかしいな。お見積もりをお願いしたら、注文しなくてはいけないかしら。何をどう相談していいのかわからない。不安は尽きないと思いますが、ご安心ください。大丈夫です。
悉皆屋はプロです。皆様のきものライフを応援していますよーという気持ちで対応いたしています。
また、クリニック会ではなくても、きもののことでお悩みのある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
お待ちしております!

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